子供とおしゃべりを楽しんでいると、急にテレビの音量が上がって驚いた。

見ると、夫がまたソファに陣取って、テレビのリモコンを握りしめている。

要は、おしゃべりがうるさくてテレビが聞こえない…という、無言の圧力なわけだ。

近頃、家探しの件で少し会話も増えてきて、夫婦関係がいい方向へと向かっているのでは…と思っていたが、私の勝手な思い込みだったのかもしれない。

夫はどこまでいっても、やっぱり夫でしかないのだ。

人間はそう簡単には変わらない。

淡い希望はまるでシャボン玉のように、空へと上がる途中でパチンと消えて無くなった。

私は黙ってスマホを手に取ると、物置部屋へと向かった。

嫌な雰囲気のリビングにいるよりも、狭い物置部屋で一人、ネットをしている方がよほどいい。

夫がリビングからいなくなったら、録画しておいた『ブランケット・キャッツ』を見よう。

そんなささやかな楽しみを胸に、私は狭くて暑い、物置部屋の戸を後ろ手に閉めたのだった…




ブランケット・キャッツ (朝日文庫)
重松 清
朝日新聞出版
2011-02-04





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